3/24の朝刊で、三木卓の寄稿文が目に留まった。寝転がって手持ち性に優れた新書判の本などを読んで過ごしているという。若い人の書いた面白い本に出会うと、歳を忘れてのめり込み、それがなかなか魅力的な時間だとしている。
三木は齢八十を過ぎている。持病があるので、コロナの動向が気になるという。この春、病友から贈りものが届いた。中身はツクシ、フキノトウ、ゼンマイなど、春の野草だった。送り主から「春ですよ!」の一筆が添えられていた。三木は季節のめぐりに、喜びを覚え、今夜はフキノトウの天ぷらをつくろうと意気込み、文を終えている。
コロナ渦がいつまでつづくのか。終わりが見えないゆえに、不安をかきたてられる。それでも今、桜は咲いている。職場につばめも帰ってきた。ウィルスの向こうに、もっと大きな営みがある。大地や海の恵みを味わえていることに、感謝を捧げたい。
コロナ渦をつきぬけとどく山海の幸をあじわう幸福の宵
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