雨の一日だった。ほとんどの時間を家で過ごした。寝転がって本を読む。雨脚はゆったりしていて、読書には心地よい音を刻む。雨が休むには良質な環境をもたらしてくれた。今、夜の帳が降りて家々の灯が見える。疫病が与える緊張感は職場で…

「爆撃なら笑おう」 新聞のWebサイトで目に留まった見出しである。 〈どういうことだ？〉 怪訝さを覚えて記事を読む。 内線が続くシリアでのことだった。ある父娘の話である。娘はまだ幼い。交通の要衝の街に住んでいるため、何度…

自宅の居間と母の寝室を掃除した。なかなか気分がいい。 私は掃除が苦手である。家族に部屋が散らかっていることを指摘されても、文豪の部屋はいろいろなものが山積みで足の踏み場がない場合が多い。だからいいんだというようなことを嘯…

夜勤明けというのは、案外眠れない。私は知的障害者の入所施設に勤務している。日が昇る前に90分の休憩があって仮眠するが、朝の勤務時は疲れがピークになる。 早番の職員が来る前に、利用者の身支度や、バイタル測定などの業務がある…